ジェイソン・ボーン ~蛇足:付け加える必要のないもの。無用の長物。~
【タイトル】ジェイソン・ボーン 米日2016
【監督】ポール・グリーングラス
【出演】マット・デイモン、アリシア・ヴィキャンデル、トミー・リー・ジョーンズ
【一言あらすじ】ジェイソン・ボーンの居場所を探す話
久しぶりに映画館に行ってきました。9年ぶりの「ボーン」シリーズ。え?「ボーン・レガシー」?
.....せっかくの3連休だったし、最終日に映画館まで行って、マット・デイモン主演の「ジェイソン・ボーン」を観てきました。「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」の3部作が大好きなんですが、制作が決まって、予告映像とかを観て待ち望んでいました。
マット・デイモンが好きなんです!
感想・軽いネタバレ
評価
★★☆☆☆(★2.0):蛇の足映画。
今回は厳しめの★2.0です。個人的には待ちに待ったボーンシリーズなので、★4つとは言わずとも、★3つほど付けたいのですが、3部作が良くできていた故に、この作品はあんまり好きになれなさそうです。
僕は過去の3部作が大好きです。色々なアクションシリーズ物ってあると思うのですが、なんとなくあたらしいテイストで、イーサン・ハント(ミッション・インポッシブルシリーズ)、フランク・マーティン(トランスポーターシリーズ)、ジェームズ・ボンド(007シリーズ)とは違う新しい主人公にワクワクしましたし、それぞれ違いがあってどれも好きな作品です。
それがあって、ボーン3部作はすごく綺麗に終わっている映画だと思っていました。
今回の作品はどうしても蛇足感が付き纏います。
でもね、さすが!と思うところもありましたよ。「ボーン」シリーズと言えばのカット割りが多いことによる躍動感や緊張感の煽り方。ボーンの歩きながらのアクションシーンや打撃戦などなどはカッコ良かったですね
もう少しあらすじ
前作から数年後、ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)はファイトクラブで稼ぎながら表舞台から姿を消していた。そんな彼のところに元CIA同僚であるニッキーがCIAの極秘情報を持って現れた。その極秘情報とはCIAの世界を監視するためのシステムに関する情報であり、その中にはトレッドストーンに関する情報やジェイソン・ボーンの父親に関する情報も含まれていた。再び、ボーンはCIAと対峙することになる...。
と、まぁ、こんな感じのあらすじなんですが、後付け感が半端ないんですよ。なんだよ父親って。ニッキーはなんでCIAをまだ追ってたんだよ。「ボーン・ガール」とか言われてた女はなんやねん。出せばええっちゅ問題ちゃうぞ。と、まぁ、色々言いたいのですが、割愛します。
ご都合主義すぎませんか?
まぁ、映画なんてものは主人公が死んだら困るし、主人公が負けても困るので、基本的にはご都合主義だと思います。でも、ご都合主義をご都合主義に見えないように工夫しなきゃダメだと思うんですよね。もっと言うなら、3部作で終わってた映画を9年越しに続けるなら、それ相応の理由なり、心理描写なり、工夫なりを盛り込むべきだった。
もちろん、父親の真相を知りたいってのは1つの理由に成り得ると思いますが、3部作の中において「父親」の「ち」の字もなかった気がするんすよね。それなのに父親の記憶を追いかけられても...ねぇ?
アリシア・ヴィキャンデル演じるヘザー・リーがボーンを助ける理由も弱い気がします。
まとめ
9年ぶりに新章をスタートさせた「ボーン」シリーズですが、3部作から進化をすることはできませんでした。それでも、派手なだけではなく、渋さやクールさを持ったスパイ、ジェイソン・ボーンはカッコいいです。
しかし、表舞台から遠ざかっているボーンを表に引っ張り出すための理由付けが弱く思えたり、3部作で観たことあるようなシーンばかりで新しい要素が見受けられない。
CIAの無能さにもガッカリした。ジェイソン・ボーンを見失って数年何してたんだ。
また、最後のラスベガスでのカーチェイスはやりすぎ&長すぎ。SWATの車両は戦車かよ(笑)
このレベルで続編を作ろうとしたのは勿体ないかな。
鑑賞:2016.10.10