ミッション:インポッシブル/フォールアウト ~結局、映画はシナリオが大切なんだよね。~
【タイトル】ミッション:インポッシブル/フォールアウト
【監督】クリストファー・マッカリー
【出演】トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ
【一言あらすじ】イーサン...いや、トム・クルーズは核爆弾を止めれるのか!?
半年以上ぶりの洋画感想記事です。めっちゃ久しぶりに映画記事を書きます。
書き方忘れてないかな?とか思ったけど、そもそも適当に感想記事書いてましたね(笑)
今回観た映画はトム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」です。シリーズを通してファンなので、公開日に観てきました。
さっそく、感想へ。
感想・軽いネタバレあり
評価
★★★☆☆(★3.0):中途半端なんだよなぁ。
少し厳しい点数となりました。個人的には★4.0ぐらいまでつけてもいいと思うんですけど、歴代のM:Iシリーズに★5.0はない訳で、基本的には3.0~4.0に落ち着くシリーズだと思っています。その中で、考えたときに前作(ローグネイション)を★4.0にすると(個人的にM:Iでの最高傑作)すれば、今作はどうしても★3.0になっちゃうなという印象。
まぁ、点数の付け方をごちゃごちゃ言ってもしゃーないので、もう少し評価の方を書いていきたいと思います。
スパイ映画(シリーズ)は結構たくさんありますよね。
007シリーズ、ボーンシリーズ、キングスマンシリーズ
コードネームU.N.C.L.E、ソルト、Mr.&Mrs.スミスなどたくさんあります。
その中で、シリーズ物に注目すると、結構住み分けができていると思うんですよ。
・007は、紳士で、英国で、しっかりスパイをしてて、(ダニエル版は)シリアス多めで
・ボーンは、スパイではあるが、追われる身で、テーマとしては自分を見つける冒険
・キングスマンは、紳士で、コメディとシリアスのバランスが良くて、エンタメもある
まぁ、どれも個人的な主観なんですけどね。
んで、今回のフォールアウトは予告編が公開された時点で、今までと雰囲気が違うなと僕は感じました。「ミッション:インポッシブル」シリーズのブランド価値を上げに来たな...。と思いましたね。シリアスな展開が多くなりそうで、元奥さんが登場したり、監督が前作から続投されていたり、前作の敵であるレーンが再登場していたり。
それでも、相変わらずのスタントなしのアクションであったり、街中でのチェイスシーンがあったり、と期待値高めで観に行きました。
ずばり、面白かったです。重厚なシナリオに、圧巻のアクションシーン、そしてロマンス要素も含んでいて、トムによる、トムのための、トムの映画でした(これは別に嫌味とかではないです)。
ただ、ミッション:インポッシブルってそういう映画だっけ?って感じ。
ブランド価値をグレードアップしたかったんだろうけど、向かうべき方向が少しズレてないかい?
もっとラフなスタイルで攻めるべきだったんじゃないの?もう少しシナリオを練るべきだったんじゃないの?前半駆け足で進んでいくし、後半はいつものM:Iっぽく着地させようとしているけど、中途半端に終わっている印象。
もう少しあらすじ
前作でボスであるレーンを捕えたことで壊滅したと思われていた「シンジケート」の残党が名前を変え「アポストル」として活動していることが分かった。アポストルがプルトニウムを入手するのを阻止し、核爆弾によるテロを阻止せよ。というミッションがイーサン・ハントに送られる。任務を遂行する中、仲間に命の危機にさらされてしまい、それを助けることに成功するが、その際にプルトニウムの行方が分からなくなってしまう...。
冒頭の部分だけ書いてみました。映画の導入部分です。
個人的に「プルトニウム」という単語が好きなんですよね。
まぁ、それは置いといて。
さて、ここで注目したいのは、前作の敵の名前が挙がっていることです。M:Iシリーズは基本的に作品毎の繋がりがない(少ない)映画なんですよ。それなのに、前作のボスの名前が出てきます。しかも、名前だけならまだしも結構しっかり出演シーンもありますし、なんなら今回の敵の1人です。レーンとのアクションもありますしね。
それと、イーサンの元奥さんも出てきます。後半は結構絡みます。
んで、そうなってくると、前作(できれば全作)を観ていないと楽しめる要素が減るので観ておいた方が良いです。
映画に大切なのはシナリオだと思うんだ
どんなにアクションを頑張っても、どんだけM:Iの小ネタを入れても、どんなにお金をかけても、どんなに製作側が作品を愛していても、結局はシナリオが大切なんですよね。僕的には。
シナリオが良ければ、カメラワークが杜撰でも、演技力が乏しくても、尺が短くても長くても、面白いし、映画として楽しいし。
でも今回の映画はシナリオが少し雑。それもそのはずで、脚本を完成させずに撮影に入ったみたいで、映画を撮りながら脚本を進めていったそうです。個人的には、いきあたりばったりな作り方は好きになれないし、その結果、M:Iシリーズの良いところであった「分かりやすさ」と観客を楽しませる「エンタメ性」を犠牲にしたように思えた。
そして、その代償に得たものは「007のような重厚感...もどき」です。
良かったところ/悪かったところ
良かったところはやっぱり、スタントを使わないアクションってことで、アクションシーンに関しては最高でした。迫力あるし、観てる側も「グッ!」って手に力が入る場面が多くて良かった。
ただ、世の中にスタントを使ってないことで得られるリアルを感じれる観客がどれだけいるのか?ってのは疑問ですけどね。多分、僕は分かりません。てか、何度も言うけど、そこで映画自体が面白くなる訳ではないのよ。
悪かったところはシナリオの分かりにくさ。まぁ、それは「今までに比べたら」ってぐらいだけど、そこは気になった。
あと個人的に文句を言いたいのは、M:Iシリーズのオマージュを意識してたくさん使用していると思うんだけど、それがウザい。
どんなオマージュがあるかをここで言及するのは避けるけど、しつこいというか、食傷気味。なんというか、製作者側の内輪の楽しさを押し出されても困る。
まとめ
M:Iシリーズ6作目となる今作ですが、さすがシリーズ物です。面白いです。
キャラが明確に立っており、スパイ映画ならではなの、どんでん返しがいくつも用意されています。
今まで作品を好きだった人はオマージュを含め楽しめる部分が多いと思います。
特にアクションシーンとドラマシーンのメリハリがしっかりとあって、150分近くあるのに、中弛みが少ないのは流石です。アクションスパイ映画としてのレベルは物凄く高いです。
それと同時に、今まで、特に4作目、5作目と確実にレベルアップしていたのですが、少し足踏みをしてしまった印象です。すなわち、映画の中での真新しさを見つけれなかった。
4作目ではベンジーとブラント(ジェレミー・レナー)の仲間参入。
5作目では別組織の女スパイの仲間参入。
のような作品を彩るという意味での新しさがなかったのが残念。
映画の中で舞台となる場所が変わるのですが、ロンドンの街中のシーンなどは良かったですね。
トム・クルーズの走るシーンなんかもよかったです
大好きなシリーズだからこそ、厳しい感じになってしまいましたが、普通に面白いです。
シリーズ物の難しいところでして、最初に述べたように、シリーズ通して、★5.0は無いです。それは間違いないです。ただ、★4.0を文句なしに出せるシリーズ物です。
その中で、前作を初回鑑賞では超えることができなかった。ということで、★3.0です。
本来なら、★4.0近くにいけると思える作品です。
僕がへそ曲がりのめんどくさい人間だからそういう評価になっているだけですので、ぜひ、観るかどうか迷っているのであれば観てください。できればIMAXで観るのをオススメします。
鑑賞:2018.08.03