【タイトル】未来を生きる君たちへ
【監督】スサンネ・ビア
【出演】ミカエル・パーシュブラント、マルクス・リゴート、ウルリク・トムセン
【一言あらすじ】暴力、ダメ絶対。復讐は復讐しか生まない。
道徳性のあるドラマな映画を観ました。映画はデンマークで製作されており、原題は「Hævnen」で意味は「復讐」だそうです。Wikipediaに書いてありました。笑
第83回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品です。個人的には外国語映画賞ってなんなん?って思いますが、まぁええでしょう。
感想・軽いネタバレ
評価
★★☆☆☆(★2.0):理想論
タイトル的にも、アカデミー賞受賞作品ということで期待してたんだけど、少し期待はずれでした。なんというか説教くさい映画で、綺麗事を推してくる映画で、鼻につく印象。
暴力はダメだよ。復讐は復讐を生むだけ。暴力で解決しては駄目。
そんなことを推してきます。もちろん分かっています。それこそ小学生の道徳の時間でやってますよね。でも、個人的に道徳的なのって嫌いなんですよね。そんなのだけじゃ生きていけないし、道徳の嫌なところは「道徳的じゃない=間違い」みたいな風潮が気に食わない。僕は性格が糞みたいに悪いし、「人の不幸は蜜の味」という思想の人間なので、この映画は少し合いませんでした。
映画的には父親→息子というベクトルなので、道徳的なのは間違いじゃないではないけどね。
もう少しあらすじ
アフリカで医師として働くアントンと、その息子エリアス。母親を亡くしデンマークに引っ越してきたクリスチャンと、その父親クラウス。
エリアスが虐められてるのを見たクリスチャンはエリアスを助けようとするが、逆にやられてしまう。翌日、クリスチャンは武器を使って「復讐」を果たすが、父クラウスから「復讐は良くない」と諭されるも納得いかない。
ある日、エリアス、エリアスの弟、アントン、クリスチャンの4人で出かけた際にエリアスの弟が公園でよその子と喧嘩してしまう。それを止めに入ったアントンがその子の父親ラースに絡まれてしまう。アントンはそれにやり返さなかったが、その行為にクリスチャンは納得いかない。
クリスチャンはアントンの代わりにラースへの復讐を計画するが.....
こんな感じの流れです。この大筋の中で、アントンのアフリカでの話が絡んできます。アフリカでの話は医師としてのアントンと、ごく当たり前の人間としてのアントンの葛藤が描かれます。これは映画で観ていただくとして。
デンマークでの話は子ども。特にクリスチャンのやられたらやり返す精神の過ちと言うか、やいすぎな行為。もしくは、やり返す状況などを考えさせられます。
男が拳を作っていいのは...
ずっと、作中で「暴力はダメだよ」ってのを中心に話が進んでいくんですが、僕はその考えは間違いだと思うんですよね。もちろん暴力は良くないです。復讐もよくないです。それこそ戦争の原因ですよね。
公園でアントンがやり返さなかったのは正解だと思います。ラースは愚か者ですし、そんな人間に自分の拳を出すのは間違ってますし、勿体ないです。男としての、親父としての、夫としての拳はここぞという場面に取っておくべきです。誰か(何か)を守るために男は握りこぶしを作るべきです。んでもって、なるべく暴力以外で解決する方向で頑張る必要もあります。
そういう考えが僕の中にあるんですが、映画の中では、そこには触れずに、ただただ「暴力は良くない」の一辺倒。それじゃあクリスチャンは納得いかないでしょう。
とは言え、誰かにとっての正義は、他の誰かにとっての悪だったりするんですけどね。いやはや難しい映画だ。
こればっかりは人によって、考え方は様々ですよね。どんな状況であれ暴力は良くないってのもあるんでしょうが、僕にはハマらないですね。
まとめ
よかったところ
・ラースの設定が分かりやすくてよかったです。色んなものと比較できます。
・アフリカでのアントンの葛藤、混乱もよかったです。難しいですよね。医者である以上、人を助けるために存在している訳で。
・クリスチャンに反省させる材料があったのがよかった。
わるかったところ
・思想が一つしか出てこなかった「暴力はダメ」ってのは正解ですが、思想と思想の比較がしたかったですね。
鑑賞:2016.06.24