【タイトル】危険なプロット
【監督・脚本】フランソア・オゾン
【出演】ファブリス・ルキーニ、エルンスト・ウンハウワー
【一言あらすじ】国語教師と文才ある生徒の話。
フランス映画を観ました。やっぱりね、難しいよね。フランス映画って。今回の映画の監督の作品は前にも観たことあって、そのときも難しいよね。って話をしました。
とは言え、前回よりはなんとなくわかった気がします。
この映画、難解ではないんですが、これと言って、なんかしらを観客に伝えてる感もなく、かといって中身のない映画って訳でもなく、大衆娯楽映画って訳でもないです。
何言ってんだお前、って言われそうですが、この映画を観て、感動はしないし、共感もしないでしょうし、爆笑もしないです。
あるのは文学的な、たまに官能的な、文章だけです。
Wikipediaにはサスペンス映画とありますが、サスペンス感、つまり、僕が思うような、人が死んだり、大きな謎に迫ったりはしません。しかし、観ているうちに「この先どうなるんだろう」というなんとも形容しがたい感情が沸き起こります。
そういう部分ではサスペンス感を味わえます。
評価
★★☆☆☆(★2.0):なんとも惜しい映画
映画の骨組みは好きです。なんか知らないけど、先が気になります。これに関してはジェルマン(ファブリス・ルキーニ)と同じで、早く先を知りたい(読みたい)ってなります。文学的なものがそうさせるんでしょうね。美しい文章というのは、人を魅了しますよね。もちろん文章に限らず美しいものはそうあるべきなんだろうけども。
ただ、期待していた方向へ物語は進みませんでした。僕的には官能方向へ進んでほしかったんですが、そんなでもなく、フランス映画感は少し薄めです。
あと、オチも分かりにくいです。これはまぁ、僕がアホだからだろうけどね。
もう少しあらすじ
しがない国語教師のジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は作文の宿題を生徒に出すが、どれもこれも点数が低くテンション下がり気味。しかし、その中でも目を引く作文を提出した生徒がいた。その生徒の名前はクロード(エルンスト・ウンハウワー)。彼の作文は友人ラファの家庭のことを題材にしており、ラファの家で見聞きしたことを書いていた。他人の家で見聞きしたことを作文にするのは、また、それを読むことは、人の家をのぞき見するようで悪趣味な気もするが、ジェルマンはクロードの書く文章に惹かれてしまう。
不思議なつくりの映画でした。
ジェルマンとクロードのやりとりでは文学的な話をしていきます。
こうしたらいいよ。この文章は駄目だ。など。
ジェルマンが作文を読む⇔クロードがラファの家で過ごすシーン。
クロードの目線で(クロードが書いた作文だし)ラファの家で週末を過ごす。
ジェルマンが追体験するような感じ。
なんか惹きこまれます。
エロスがあるようで、ないです。
とは言え完全な0ではないです。
国語教師がした過ち
教師と言う立場でありつつ、文学を師として教えたいという立場もありつつ、すごく不安定な人間なんでしょうね。ジェルマンは。
教師というのは、なかなかに大変だね。生徒と過度に関わると碌なことがないよ。うん。
クロードはミステリアスな美少年だね。あのルックスは、映画内でのミステリアスな才能ある美少年を演じるというのは似合ってるね。
まとめ
良かったところ
・映画の骨組みはすごく好みでした。先が気になる造りになっていて、どうなるの?どうなるの?って、なんかドキドキまではいかないけど、不思議な感覚。
悪かったところ
・オチとしては流れは分かるけど、核が分からなかった。
・間延びとまでは言わないが、もう少しコンパクトにするか、ボリュームアップするかしてもよかったんじゃね?
・なんだかんだフランス映画でした。
鑑賞:2016.06.21