フェンス ~壁を作っていた~
【タイトル】フェンス
【監督】デンゼル・ワシントン
【出演】デンゼル・ワシントン、ヴィオラ・デイヴィス
年が明けて2018年、ぼちぼち良いペースで映画を観れている気がします。
今回観た作品は「フェンス」です。第89回アカデミー賞に作品賞含む4部門でノミネートされ、見事助演女優賞を受賞した作品になります。
デンゼル・ワシントンは名優ですよねぇ。結構好きです。
この作品は原作があって、それを基に舞台があって、そんでもって映画化された物語です。詳しくはwikipediaに載ってますので、気になる方はどうぞ。
感想・軽いネタバレ
評価
★★☆☆☆(★2.0):言いたいことは分からんでもないが、伝え方が嫌い。
実話を基にした原作ではないけれども、当時のアメリカでは日常であっただろう題材を扱っている分、映画の中身は地味です。地味な上にしっかりとしたオチがある訳でもないし、スルーっと終わります。ファンタジーであったり、サスペンスではなく、日常系映画(正しい表現かどうかは不明)なので、1人の人生であったり、1つの家族であったり、1つの町であったり、映画が終わっても、彼らの生活が終わることがないので、ちゃんと綺麗に〆る必要はないけど、僕はキッチリ終わってほしいと思う人なので、少し物足りない。
それと、舞台作品だからか分からないが、台詞量が多い。1シーンでの台詞の多さと言葉回しが普段観ている映画とは少し違った。別にそこに不満や感動があった訳ではないが、特別感があった。
ちなみに、舞台版もデンゼル・ワシントンが主演です。
もう少しあらすじ
1950年代の米ピッツバーグ。トロイ・マクソンは、妻ローズと息子のコーリーと暮らしている。彼はかつて野球選手だったが、 人種差別によってメジャーリーガーの夢を絶たれ、今では苦しい生活を送っていた。ある日、コーリーがアメフトのスカウトマンに見出され、NFLを目指す大学推薦の話が舞い込んでくる。しかし、トロイは進学に反対、夢を見過ぎたと責め立て、家の裏庭のフェンス作りを強制的に手伝わせる。息子の夢を完全に潰してしまったトロイ。親子関係に亀裂が走り、ふたりを見守っていたローズとも激しく衝突することになるが・・・。(Filmarksより)
あらすじ書くのが難しかったので、引用してきました。
デンゼル演じるトロイは頑固な黒人です。時代的にも黒人差別がまだまだ残っていたときでしょう。その時代の設定の中のデンゼルは、現代人の日本人の僕からしたらめんどくさい存在でしたね。映画を観ている中で、トロイに没入することができませんでした。
挙句の果てには浮気しますからね。
フェンスとは。
映画のタイトルにもなっていますが、フェンスとは壁のことです。色んな壁があります。この映画の中には。
作中ではシチュエーションが少ないです。基本的に家の裏庭でのやりとりが多くて、家の中での場面があって、たまに家の玄関先や仕事場が少し、バーでの場面が1シーンぐらいだったと思います。
まず、この家(主であるトロイ)と外界には壁があります。
また、トロイは字が読めないので、そういう能力的な意味でも壁があります。
息子からすれば、父親が人生の壁でしょう。
奥さんにとっても壁なのかもしれませんね。
映画内で直接的に描写されていませんが、黒人と白人の間にも壁があったでしょう。
様々な壁があります。そういう映画でした。
まとめ
黒人差別があってたのは知ってるし、完全に無くなったかどうかは僕は知りませんが、日本に住んでいる僕的には、ピンと来ない作品でした。
もしかしたら、映画内の設定時代的には黒人差別は少なくなっていたかもしれないけど、トロイの生活態度、思想などを鑑みると、黒人差別をしていたのトロイ自身なんじゃないかぁと思います。
「自分が黒人だから」「息子は黒人だから」、そうやって自分で壁を構築していたのかもしれませんね。
鑑賞:2018.01.04