官能小説の女 ~現実と妄想の境界線が分からなくなる~【感想】
【タイトル】官能小説の女 独2016/日未
【監督】ヨハネス・シュミット
【出演】シュテファン・カンプヴィルト、オーディン・ヨーテ
【一言あらすじ】冴えない小説家と陰湿な女性の物語。
エロティックな映画がいくつか貯まっていたので、それを消化していて、これで4作目になりるけど、これで終わりかな。思ったより貯まってなかった。まぁ、4本もR-15指定を観ればええかなって感じ。
感想・軽いネタバレ
評価
★☆☆☆☆(★1.0):主人公たちに魅力がない
面白くなかった訳ではないんですが、主人公2人の外見と内面の両方に魅力を感じることができなかった。
男・・・ヴァルター:外見も内面もパッとしません。出版関係の人間と思われる女性と肉体だけの関係を持っていて、だらだらと執筆活動を続けていたり、どうも好きになれない。台詞なんかも惹かれない。
女・・・アグネス:外見は陰湿な雰囲気が漂っていて目の感じが暗い、内面は不思議ちゃん系です。メンヘラまではいかないけど、多少変です。なんか「死」についてやたらと気にしてきます。やばいでしょ?
アグネスのとある提案をきっかけに、現実とフィクションが入り混じった二重構造で物語が進んでいきます。結構よくある手法だとは思いますが、何が現実で、何が現実じゃないのかが曖昧になったりして、なんとも不安感がありました。僕は苦手。
もう少しあらすじ
ヴァルター(シュテファン・カンプヴィルト)が図書館でアグネス(オーディン・ヨーテ)に出会い、声をかけるところから物語は始まる。色んな話をしていくうちに2人の仲は急接近していき、体の関係まで発展していくなか、アグネスがヴァルターに自分を題材に小説を書いてほしいと言う。ヴァルターはアグネスの言ったように2人の出会いからを小説として執筆していくが、次第に現実と小説で差異が生じはじめる。
いつの間にか場面が小説世界に入っていたり、現実世界に戻っていたり、時には執筆したけど、修正を加えたかのような表現の仕方をしていたり、なかなか面白い演出でした。ただ、分かりにくくもなるからなぁ。ジャンル的には向いてない気がしないでもない。
エロス具合で言うと、そうでもない。おっぱいは2、3シーンでしっかりと確認できます。アンダーの方は、アグネスの正面からのカットもあったりするのでがっつりモザイクはあります。
結末としては
バッドエンドなんでしょうね。なんともまとまらないというか、どこにも着地しないで映画は終わります。僕の中ではあの終わり方は着地していません。観客に判断を委ねます的なエンディングですらないかな。
結末以外でも特に気になるシーンもなかった。SEXシーンもイマイチ。別にAVを観ようと思ってる訳ではないから、SEXシーンに重きを置いてる訳ではないが、どうしても良いSEXシーンと悪いSEXシーンてのは存在するよね。どこで良い悪いの判断をしているのか分からないけど。
多分、主人公の魅力不足が原因。
まとめ
現実世界と小説世界の曖昧な感じはすごい。観ていて、どっちなん?って考えさせられる。
ただ、ジャンル的には合ってない気もする。もう少しサスペンス感があればよかったんだろうけど、どうしても、パッとしない男と不思議ちゃんのやり取りなんかに惹きこまれることなく、終わっていく映画です。
かといって、エロスな訳でもないです。
日本語版の予告を見つけることができなかった。
鑑賞:2016.11.12