エール! ~歌が上手な女の子と耳が聞こえない家族の愛の物語~
【タイトル】エール! 仏2014/日2015
【監督】エリック・ラルティゴ
【出演】ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソア・ダミアン
【一言あらすじ】歌の才能が開花した女の子の話。
ここ最近はR-15指定の映画ばかりを観ていて、ドロドロしていたり、アンアン喘いでいたり、絵面的に暗かったりしたので、その反動か分かりませんが、いやー、久々にガツンとくる映画でした。面白かったです。笑えるし、ホロリともしちゃう。やっぱり、音楽を題材にしている映画は当たりが多い気がしますね。
感想・軽いネタバレ
評価
★★★★☆(★4.0):笑えて、ホロリとする映画でした。
すごく面白かったです。
なにより、バランスがすごく良かった。
笑いがあったり、毒があったり、少し下品さがあったり、でも家族愛があったり、全体的に収まりのバランスの良い映画でした。また、映画の中で歌われている歌の歌詞もすごく良いんですよ。2つあるんですが、
1つは主人公のポーラが学校の発表会で男の子とデュオする曲。
もう1つはポーラが歌の学校の入学試験で歌うことにする曲。
どちらも印象に残る曲なのでそこにも注目してほしいっす。
なにより、フランス映画なのに、こんなに観やすいのかって思った。
フランス映画って芸術性高すぎて苦手なんやけど、これは違う。
もう少しあらすじ
フランスの田舎で酪農を営んでいるベリエ一家。両親と弟は聴覚に障害があり、ポーラ(ルアンヌ・エメラ)だけが健常者で、町のみんなと家族を繋ぐ通訳の役割を担っている。
そんなある日、ローラが選択しているコーラスの授業の先生がローラの才能に気付き、パリの音楽学校を受験することを勧める。一旦は受験することを決めたローラだが、家族にそのことを告げると大反対され、受験をやめることにするが...。
僕の偏見かもしれないんだけど、障害者が映画に出てくると、しんみりしそうじゃん?それがないのがすごく良かった。むしろ、他人が手話を分からないことを良いことに、手話で下品な会話をしたり、悪態ついたりして、適度に毒があって面白かった。
両親と弟は喋れないのにも関わらず、しっかりとしたキャラ付けされていて、グッド。
てか、喋らないのにキャラ付けって凄い(笑)
家族か夢か
家族にとってローラは大切な存在なんですよ。それは、もちろん家族だから当たり前なんですが、耳の聞こえない3人にとってはローラは通訳としても必要な存在なのです。チーズを売るにしても、町の誰かと話すにしても。
ローラにとっても家族は大切な存在です。家族だから当たり前です。でも、学校の先生に「歌の才能がある」と言われて、夢を追いたいという気持ちが芽生えるのは至極当然です。
でも、ローラがパリへ行ってしまったら確実に困っちゃいますよね。家族のみんなは。
だから、家族のみんなは反対するし、ローラも悩みます。
それに、耳が聞こえない3人にとっては、「ローラに歌の才能があるだって!?」って感じなのです。耳が聞こえないから、ローラの声が3人に届くことはないのです。
親からしたら、なによりも、子供の夢が「歌」なのに、それを聞くことができないのが辛いのかもね。
まとめ
一見、重そうな題材の映画だけど、意外や意外、ポップな映画になっています。適度に笑いがあり、毒があり、感動もできる。バランスの良い映画です。
フランス映画って苦手だなぁ。と思ってる人に観てほしい映画です。フランス映画って淡々としていて、僕もそんなに好きではないですが、このフランス映画は観やすくて良いですよ!
んで、フランス映画にありがちな、Hな感じはあんまりありません。夫婦の会話だとか、発表会で歌う曲の歌詞とか、ませた弟の行為とか、ちょいちょい見え隠れするエロさ、コミカルで面白いです。
ちなみに、主演のルアンヌ・エメラは、この映画が初の出演になるらしいけど、そのおかげか良い意味で子供っぽいというか、初々しいというか、そういう雰囲気があってよかったです。歌も上手だし。
音楽に溢れた映画の感想記事
聾唖者を題材にした映画
鑑賞:2016.11.12