【タイトル】ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー 米2017
【監督】ダニー・ストロング
【出演】ニコラス・ホルト、ケヴィン・スペイシー、ゾーイ・ドゥイッチ
【一言あらすじ】ライ麦畑でつかまえての作者の半生を追った映画
評価
★★☆☆☆(★2.0):もう少し見せ場が欲しかった。
「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J・D・サリンジャーの半生を描いたドラマ映画なんだけど、どうしても実在した人間のドラマ映画は単調になりやすい。
そりゃ、フィクションのような人生が、みんなに起こり得る訳ではないから仕方ないことだし、だからと言って嘘で映画を作る訳にはいかないよね。でも、単調にならないように映画を作られたら、僕は心を動かされるのだろう。まぁ、結局のところは好みになるんだろうけど。
長々と、言い訳じみた話をしちゃったけど、僕はドラマ的な映画でも、それなりの盛り上がりが欲しいなと思っていて、この映画はその盛り上がりが少ない感じだった。
あとは、サリンジャーの作品をいくつか読んでいれば、もっと楽しめたんだろうな。という印象。
でも、この映画の凄いところは、観終わった後に「ライ麦畑でつかまえて」を読みたくなるんですよね。映画全体が面白い訳ではないけど、サリンジャーという人間に興味が沸くし、作品も気になる。という感じ。それはすごい。
あらすじ
大学を中退し、物書きになりたいという漠然とした夢を持っていたサリンジャーは作家になることを志し、コロンビア大学に編入する。そこで出会った大学教授であり、雑誌編集長でもあるウィットのアドバイスを受けながら短編小説を出版社に応募するが、掲載までこぎつけることができずにいた。何度も書くうちに、彼の分身とも言える小説の主人公ホールデンを生み出す。
「ライ麦畑でつかまえて」って名前は知っているんですよ。ただ、近代以前の洋書に苦手意識があって、読むのを避けてきたんですよね。
サリンジャーしかり、フィッツジェラルドしかり、ヘッセしかり、ヘミングウェイしかり、このあたりは苦手。なんというか、少しは読んだことあるけど...って感じです。
ただ、今作を観ると、このあたりの作家の作品を観たくなるんですよね。このへんの作家の作品に後世の作家に多かれ少なかれ影響していると思うし、好きな作家を挙げたときにルーツをたどると20世紀前半の海外の作家に行き着くことも多いと思うんですよ。
んで、「映画を観て→本を読みたい」というふうに気持ちを動かせるってのは物凄くエネルギーのある映画ですよね。
でも、面白さでは物足りなかったので、★2.0になっちゃったって感じです。
まとめ
サリンジャーはトントン調子で売れた訳ではなく、生まれた時代も悪かった(戦争が起こる)。
この映画はギリギリコンパクトな尺の中で、サリンジャーの
作家になるまでの苦悩、作家になってからの苦悩、戦地に召集され、戦争から帰還したがPTSDに悩まされ、有名作家になってからの苦悩。そして隠遁生活。
苦悩続きだったことが分かります。どこまで人生を忠実に再現しているか分かりませんけど。
全体的には特別に褒めるところがないです。でも、残念なところもないです。
おわり。
ニコラス・ホルト主演『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』予告編
鑑賞:2019.12.19