素晴らしきかな、人生 ~ヒューマンドラマvsヒューマンファンタジー~
【タイトル】素晴らしきかな、人生
【監督】デヴィッド・フランケル
【出演】ウィル・スミス、エドワード・ノートン、キーラ・ナイトレイ
【一言あらすじ】LOVE、TIME、DEADが会いに来てくれる話。
久しぶりにウィル・スミス映画を観ました。と、思ったけど、「コンカッション」「フォーカス」を観てました。笑
とりあえず、ポスターからはハートフルな感じが伝わってきますよね。個人的には「ラブ・アクチュアリー」と似ているなと思いました。
評価
★★☆☆☆(★2.0):どっちなん。
話の大筋とか、キャストとか、メインキャストの多さを上手に料理しているところとか好きではあるんですが、なんかハマりませんでした。
昔はウィル・スミス好きだったんですけどね...。演技が臭くなってません?僕はそう思いました。
ウィル・スミスのヒューマン系と言えば「幸せのちから」「7つの贈り物」なんかがありますが、その2つには及ばない映画です。とは言え、僕はこの2作品をあんまり好きではないというのがありますが。
多分、ハマれなかったのは、ジャンルを中途半端にしたせいです。
ヒューマンドラマにしたかったのか、ヒューマンファンタジーにしたかったのか。
どっちもヒューマンなんですが、個人的には大きな違いだと思っていまして、その両者の中で映画が揺れているのが生理的に無理でした。ファンタジーにしてしまったら、その物語は作りものになってしまいます。(映画だから作りものだけど)。
ドラマにするなら1人の人間として、ウィル・スミスに寄り添えます。共感できればだけど。
これは、どっちも無理。
もう少しあらすじ
広告代理店の代表として成功してきたハワード(ウィル・スミス)だったが、愛する人を失ったのを機に仕事も私生活もままならなくなってしまう。やがて会社の業績も悪化し、社員たち(ケイト・ウィンスレット、エドワード・ノートン、マイケル・ペーニャ)も気が気ではない。そんな中、ハワードは舞台俳優たちとの出会いによって、少しずつ変化していき……。(シネマトゥデイより)
あらすじだけ読むと、もしくはポスターを見ると、ヒューマンドラマっぽいですよね。
人生のどん底にいる男が周りの力を借りて、自分と向き合い、過去と向き合い、前向きに生きていく。みたいな。
別にベタだけど、好きです。そういうの。
でも、この映画の「舞台俳優」ってのが厄介。そして、演出というか設定が厄介。結局のところ、「この3人は存在存在していなかった。」ということなんでしょうかね。
ここから先、いつもより多めのネタバレです。
お前らもかい。
ウィル・スミス演じるハワードの同僚3人が協力して、ハワードを元気づけようと画策するんですが、その中で、舞台俳優3人にお願いして、愛・時・死に扮してハワードの前に現れるように仕向けます。抽象的なモノに扮する訳ですから、姿かたちは見えない設定です。現に、映画内ではハワードと同僚3人にしか見えていません。
んで、この3人は実在しません。本当に見えない存在の3人が同僚の前に現れて、ハワードのために動いてくれるんですが、そんな都合のいい話あります?
しかも、同僚3人にも、愛・時・死に関係した悩みを持っています。
お前らも何か抱えてるのかい!
別に抱えている分にはいいんですけど、この映画メインキャストが多すぎます。
ウィル・スミスと同僚3人+見えない何か3人。そして謎の女性1人。計8人。
でも、その部分で見にくさはありませんでした。上手に撮り分けてて、上手に触って、上手にオチをつけます。納得いくかどうかは別だけど。
別に天使的な何かが、愛・時・死について諭すような設定でもいいけど、急にファンタジーを出されても困る。何か、ファクターがあって、その3人が登場するようにしてくれないと、こっちはウィル・スミスのファンタジーが観たいのではない。ドラマが観たいのだ。(本当は「メン・イン・ブラック」「最後の恋のはじめ方」のようなコメディが観たいんだけど)
まとめ
観ていて、ジャンルが急に変わったから、売れないマンガがテコ入れしたかのように感じた。
それと謎の女性の使い方は無理があるんじゃない?さすがに。
共感できないっす。
ただ、8人もの人物に上手にスポットライトを当てていて、上手に調理できてたのは凄い!
でも、そこまで上手に撮っちゃうと、ウィル・スミスは目立ってないよ。
個人的にはウィル・スミス軸の話より、
ケイト・ウィンスレットとキーラ・ナイトレイの美しさに目がいきました。
ウィル・スミス....必要だったか?
これなら、ウィル・スミスと謎の女性の2人をカットして、同僚3人と天使(的な)3人の2人×3組の群像劇を作った方が面白そう。
映画『素晴らしきかな、人生』オンライン特別吹替予告【HD】2017年2月25日公開
ウィル・スミス出演作品の感想
キーラ・ナイトレイ出演作品の感想
鑑賞:2018.01.11