リチャード・ジュエル ~持つべきものは弁護士の友人だね~【感想】
【タイトル】リチャード・ジュエル 2019米/2020日
【監督】クリント・イーストウッド
【出演】ポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェル
【一言あらすじ】爆弾を見つけたことで世界が変わった話
「ある少年の告白」に続き、実話を基にした作品ですね。
最近はそういうモードになりつつあるのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。
実際にあった事柄を映画にするのは、知らなかった歴史的事実を映画を通して知ることができるのは大変助かる。しかし、映画と言うのは稼いでナンボみたいなところがあって、そのためには観客に刺さるように作らなきゃいけなくて、結果的には事実と異なるけど“脚色”として演出をしてしまう部分もあるかもだね。
この映画も、そういうなんやかんやがあったみたいで、そのへんは観終わった後に軽く確認しておくと、より良いのかなと思う。
じゃあ、感想をば。
評価
★★☆☆☆(★2.0):ちょい長いかな。
クリント・イーストウッドの特徴だと思ってるんだけど、映画が少し長尺になりがちだよね。131分って長すぎるって訳でもないんだけど、イーストウッド監督の作品って社会派だったり、実話を基にした作品が多く日常に近いリアルな描写をしっかりするから、「時間を忘れる」って体験にはならない。リアルな時間経過を体感すると言えば良いのかな?場合によっては良いところにも、悪いところにもなりうる、監督って印象。
主演の2人はさすがの演技。実際のリチャード・ジュエルの風貌を知らないし、あくまで映画を楽しんだ後だから調べたりはしないけど、たぶん上手に寄せてるんだろうなと思う。映画を観ていて、偏見で申し訳ないけど疑われても仕方がない風貌/態度/経歴...って印象を抱いた。まぁ、そんな証拠もなく「なんとなく」レベルで容疑者扱いされるのは御免だけど、そういう演技だった。
サム・ロックウェルもさすがだね。いつも通りのサム・ロックウェル。これは皮肉とかでなく、本当にそう思う。
あらすじ
1996年、アトランタオリンピックの会場近くで警備をしていたリチャード・ジュエルは不審な荷物に気付き警察に通報する。警察が調べたところ爆弾だと判明し、周辺の人間を避難させるも、避難途中に爆発し死傷者が出てしまったが被害を最小限に抑えたとして、世間は発見者のリチャードを英雄として持ち上げる。しかし、地方紙に報道により、リチャードは”疑惑の英雄”として糾弾されることになる。
正直あんまり語ることが無い映画かもしれない。
主人公が爆弾を発見したおかげで被害を最小限にすることができたのまでは良かったけど、なんとしても“犯人”を捕まえたいFBIがプロファイリング捜査によりイメージする犯人像とリチャードが一致するという理由だけで、容疑者にしてしまうという杜撰さが露わになる映画なんですよね。この説明だけで映画の7割は説明できていると思う。
リチャードは古くからの友人であるワトソン(サム・ロックウェル)(と言っても10年ぶりの再会?)に弁護を依頼し、少しだけ友情映画にしつつ、FBI含めメディアと戦い、最終的にはFBIが「リチャードを容疑者とするだけの決め手がないので容疑者じゃないですよ~」ってところで事件は収束。
そして時が経ち、真犯人が捕まったという報告をリチャードがワトソンから聞くシーンでエンディング。
やばい。映画の内容を9割ぐらい書いてしまった。
残り1割、もしくは2割ほどは映画を観てください。
とは言え、容疑者扱いされるようになるキッカケは地方紙による報道のせいなんだけど、このあたりがどうも事実とは異なるらしくて
映画を観ている分にはあまり違和感はなかったんですよね。
まぁ、FBIの無能さとか杜撰さにはあきれるけれども。
書きなぐりコーナー
エンタメワクワク映画ではないし、監督が監督なので、割と淡々と物語が進んでいくのが、面白くなかったかな。映画自体(歴史)は知っておいて良かったことなので、そういう題材を選んでくれたイーストウッドには感謝ですね。
自分が犯していない罪で糾弾されたら、弁護士を早急に雇うのが正解だなと思いました。これは日本で暮らしていても心に留めておいた方が良い。
友人に弁護士がいないのが不安です。
クリント・イーストウッド最新作『リチャード・ジュエル』30秒予告
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2021.03.12