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【宇宙】無人探査機ニューホライズンズが冥王星にフライバイしました。【flyby】

2015年7月14日の夜9時頃(日本時間)、ニューホライズンズが冥王星にflybyしました。

 

ニューホライズンズとは米航空宇宙局(NASA)が2006年1月に打ち上げた無人探査機で、冥王星を観測するために実に9年以上も宇宙を旅しています。

打ち上げ時に小学校に入学した子が中学校を卒業すると考えると長い期間旅をしているのですね。感動。

質量は465kg、太陽から遠く離れた宇宙を飛ぶため太陽電池が使えず、原子力電池が搭載されています。冥王星の写真を撮って、そのデータを送る時の通信速度は800bpsほどなので64Gbit(8GB)相当のフラッシュメモリを搭載しデータを蓄積することができます。

そして面白いのが、冥王星を発見したクライド・トンボー氏の遺灰も搭載されています。アメリカさん、粋なことをしますね。

 

flybyとは宇宙船が天体へ最接近することを言います。

 

さて、冥王星はかつて太陽系第9惑星として考えられてきました。「水金地火木土天海冥」と覚えた人も多いと思います。発見したのはアメリカ人のクライド・トンボー氏で惑星発見者としては唯一のアメリカ人です。

しかし、今は冥王星は太陽系の惑星ではないのです。

冥王星が惑星じゃなくなった理由をざっくり言うと、冥王星が1930年に発見されてから、観測精度、研究技術の向上に伴い、「あれ?思いのほか冥王星って小さくね?」「あれ?冥王星と同じような天体がたくさんあるくね?」ってことになり、天文学者の中で冥王星が惑星であることに疑問の声が上がりました。ただ、困ったことに、この時点では惑星の定義が決まってなく、冥王星を惑星としていいのかどうかが分からなかったのです。そこで2006年の8月末にチェコプラハで開かれた国際天文学連合総会で定義づけがなされたのです。

その内容は

(1)太陽の周りを回っていること。
(2)十分重く、重力が強いため丸いこと。
(3)その軌道周辺で群をぬいて大きく、他の同じような大きさの天体が存在しないもの。
と3つの条件を満たした天体を惑星と定義し、冥王星はこの中で(1)(2)しか満たしていなく、準惑星と位置づけされました。これにより「水金地火木土天海」と関西弁のように惑星を覚えることになりました。そうでもないか。
これは記憶に新しいかと。
 
そして、地球から約48億キロ、9年の歳月をかけてニューホライズンズが冥王星にflybyして写真を送ってくれました。
 
 
綺麗ですね。
模様がハートの形に見えるのが話題になっています。
宇宙のロマンを感じます。
 
 
ニューホライズンズの当初の目的は冥王星とその衛星カロンの観測でした。
その観測を無事完遂したのちは、また新たな観測地に向かうそうです。
 
 
 
 
 
昔、冥王星が惑星じゃなくなったときに読んだ本を思い出したので、それを紹介しておきます。

小学生向けではありますが、読みやすく分かりやすかった記憶があります。

なぜ、めい王星は惑星じゃないの?―科学の進歩は宇宙の当たり前をかえていく

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