ユリゴコロ ~目を逸らしたくなるぐらいのゾクっと感が堪らない~
【タイトル】ユリゴコロ
【監督】熊澤尚人
【キャッチコピー】人殺しの私を、愛してくれる人がいた。
2回連続で邦画を観ました。なかなか連続して邦画を観ることはないんですが、今回、2回連続で観ました。しかも、劇場で。これはヤバい。前回、邦画を映画館で観たのは「寄生獣」でした。しかし、これは映画を観たいというよりは、主題歌に使われているBUMPの楽曲を映画館の音響で聞きたいって理由で映画館に行きました。その前に映画館で観たのは、おそらく「ALWAYS 三丁目の夕日'64」を観に行ったと思います。おそらくこれもBUMPの主題歌目当てで行っています。
別にこの2作品は嫌いではなかったのですが、わざわざ映画館で観るほどのものではなかったかなと思います。というか僕から言わせれば邦画全般は映画館向きではないと思っているのですが...。
そんな僕が「ユリゴコロ」を映画館で観てきました。その感想をちょいちょい書きます。
感想・軽いネタバレ
評価
★★★★☆(★4.0):突っ込みどころはあるけど、大筋の話はすごく良かった!
吉高由里子が良いよね。好きなんですよ。明るいキャラをさせても好きだし、暗い何か闇を抱えた役も好きです。この映画の中では後者です。より吉高由里子の良さを発見できる映画です。
全体を通して重いシーンが続きます。多少グロっぽいシーンもあります。そういうのが苦手な人は気を付けてください。
突っ込みどころをここで一つ言うと、吉高由里子は左利きです。原作の設定がどうかは分かりませんが、作中の美紗子も左利きです。しかし、美紗子の子供時代を演じた子役は右利きのようで、そういう細かいところが気になっていました。そういう直そうと思えば直せるところを直さないのは少し残念。
もう少しあらすじ
亮介(松坂桃李)は父の書斎でとある手記なようなものを見つける。手記を読んでいくことで、美紗子(吉高由里子)の半生をなぞっていきます。亮介は妙な魅力を放つ手記が気になってしまう。
美紗子は小さなときから心が満たされたことがなかった。しかし、ふとしたときに心を満たす方法を知った。しかし、それは普通のことではなかった。満たされない生活の中で、洋介(松山ケンイチ)と出会う。洋介の愛情の深さに徐々に普通の暮らしをしていく...。
映画は現代の亮介(松坂桃李)パートと過去の美紗子(吉高由里子)パートが交互に進行していきます。現代パートがどうでもいいかというとそういう訳でもなく、現代パートもある事件が起こります。その中で、過去パートも進行していく感じです。
過去の中でも美紗子が洋介(松山ケンイチ)と出会う前後で美紗子の心に大きな変化があるので、そこの変化が見どころです。
以下、いつもよりネタバレが多くなります。
完全な映画ではない
上記にも書きましたが、利き手の部分がイマイチでした。
それ以外にも、キーパーソンとして、細谷(木村多江)と名乗る女性が現代パートで亮介に接近します。ただ、細谷が厄介でして、少し超人すぎるんですよ。現実的ではないんですよね。物語の根幹に触れないように変な文章になっていると思うのですが、この人物の存在がなかなか受け入れられなくて、存在はしていていいのですが、能力的な意味で現実的ではないんですよ、さすがに。
大筋が良かっただけに、この人の存在感であったり、この人絡みのオチの部分が納得いかなかった。あと年齢設定も難があった。
まとめ
総括すると、良い映画でした。特に過去パートのストーリー、演者、演出等、素晴らしかったです。吉高由里子と松山ケンイチが好きな人ならハマると思います。
鑑賞:2017.09.28