インターステラー ~ゴリゴリのSF映画ではあるけれども、その中でノーランらしさと、「愛」「時間」「宇宙」ってな感じ~
【タイトル】インターステラー 米日2014
【監督】クリストファー・ノーラン
【出演】マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ
【内容】近未来の地球。植物は枯れ果て、異常気象により人類は滅亡の危機に晒されていた。人類滅亡を回避するために生命が活動できる惑星を探しにクーパー(マシュー・マコノヒー)、ブランド(アン・ハサウェイ)らは宇宙に旅立つ。
【キャッチコピー】「人類は滅亡するために、生まれたわけではない。」
感想・軽いネタバレ
いやー。面白かった。ここまでSFに振り切った映画は最近では珍しいんじゃないですか?個人的には「ゼロ・グラビティ(2013)」があまり好きではなく、ずっと観るのを躊躇してました。だって169分って長いし。でもね、長くないよ。長く感じさせない。さすがクリストファー・ノーラン監督だよ。「メメント(2000)」「インセプション(2010)」の監督とは思えない、シンプルな仕上がりの今作は宇宙が舞台です。宇宙に行っちゃう系の映画です。大好きです。
シンプルな仕上がりとは言ったけど、「ワームホール」「ブラックホール」「5次元うんぬん」「相対性理論」「1時間が地球時間で7年」だとか難しい話が出てきて、そのことについて深くは言及しません。なので、正直その手のワードが分かってた方が楽しめると思います。でも、分からなくても大丈夫だと思う。どっちだよ。
この映画はSFとしてのワクワク感を持ってるし、「アルマゲドン」のような父と娘の家族愛とヒューマンドラマも描いている。言ってしまえばありきたりなのかもしれない。いや、ありきたりなのだろう。それでも面白い。
さて、上記の内容に少し付け加えると
主人公たちよりも先に先行して数人の調査員が宇宙へ旅立っています。その中の3人が行ったそれぞれ惑星からの「移住できる可能性がある」という信号を頼りにクーパーら4人は向かっていきます。水で覆われていたり、氷で覆われていたり。その光景はスケールの大きいものでワクワクしっぱなしでした。
なんか科学雑誌をNewtonを貪るように読んでた小学生・中学生時代を思い出しました。別に書いてあることの全部は分からなかったけど、それでも楽しいと思えてた。「SFってこういうものだ」ってのをこの映画を通して伝えてくれてます。
終盤の方でクーパーは「5次元空間」に行くことになります。こんな風に文章で書くとコメディのようなゲームのようなバカげた文章になってしまうのですが、ノーラン監督は上手く5次元空間を表現しており、そしてその中でしっかりと伏線を回収します。観ていて鳥肌が立ちました。思えば、冒頭で植物の枯れ果てる原因、異常気象の原因などの説明がなく、なんとなく、地球滅亡の危機を抽象的に表す1つの表現だと思っていたものが、最後には愛で時空を超えました。
そのシーンを観たときに、ブランドの宇宙船の中での「愛」についての考察が生きてくる。僕はそう解釈しました。
良かったところは
やはり、伏線回収シーンですかね。「愛」ですよ。
他には、ロボットが出てくるのですが、そのデザインが秀逸だと思いました。人型でもなく、R2-D2のような形でもなく、ブロックのような形で個人的には惹かれました。
あとは、「愛」もそうですが、「時間」についても表現が深いです。宇宙空間で流れる時間の無慈悲さが寂しく表現してあり、何とも言えない感覚です。
悪かったところは
主人公の長男のキャラ設定でしょうか。
幾ばくかの時間が流れた地球のクーパーの家族には変化が起こっています。地球は滅亡しようとしているのですから、あまり良い変化ではありません。そのことで狂気...とまでは言いませんが、すごく頑なな人間になってしまっています。その表現は必要だったのか?という気持ちです。まぁ別に大きなシーンではないし、今後に影響するようなものではないので問題ないとは思いますが、なんとなく「なんで?」という感想を持ちました。
映画を観ていて「ノーランらしくないな」って思っていたんですけど、終盤の方ではノーランらしさがしっかり出ていると思います。特にラストシーンなんかはそのように感じました。
って言っておきながら、ノーラン作品をたくさん観たことがある訳ではないのだけれども。
長くなってしまった。つまり面白かったということ。
クリストファー・ノーラン監督は「メメント」「インセプション」でしょう。
他には「トランセンデンス」や「バットマン」シリーズ
マシュー・マコノヒーは「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」に出演してます。
アン・ハサウェイは最近では「マイ・インターン」とか。「ワン・デイ 23年のラブストーリー」が好きです。
鑑賞:2015.11.23