女は二度決断する ~タイトル回収をしっかり見届けてあげてください~
【タイトル】女は二度決断する 2017独仏
【監督】ファティ・アキン
【出演】ダイアン・クルーガー、デニス・モシットー
【一言あらすじ】女が二度決断する話(そのまんまでごめんね)
最近ぬるい映画ばっかりだったので、少しヒリヒリした映画を観てみました。
ぬるいって表現はマイナス印象な気もするかもしれませんが、ゆったりとしたテイストの映画、という意味で、感想がイマイチだった、という意味ではありません。
結果的には評価もぬるかったんですけどね(笑)
結構ネタバレ多めです
評価
★★★☆☆(★3.0):細かいところが雑に見えてしまった
心がゾワゾワするような感覚になりたくて、サスペンスというか、シリアスというか、そういうモノを求めてこの映画を観ました。ラストあたりはゾワゾワして満足できました!
やっぱりたまには刺激が欲しいですよね。ジャンルは違うけど、昔は「ソウ」シリーズとかを観てゾワゾワ感を得てました。
いきなり「ソウ」の名前を出したけど、「女は二度決断する」には一切関係ないので勘違いしないでね。
評価としては★3.0。気になった点が2つ。
大変な状況に陥った主人公に寄り添う家族や友人。その中には妊婦もいるのに、じゃんじゃんタバコを吸うシーンがある。副流煙とか大丈夫なん?
こんな風に触れると、コンプラを意識しすぎるなって突っ込まれそうだけど、僕もあんまりコンプラを意識するのはアレだと思うよ。でも、妊婦に対してのコンプラは守ったがよくない?時代設定も現代だし。個人的にはこの部分は評価を下げるポイントではないけど、気になった。
減点ポイントは裁判シーンなんだよね。なんというかあっさり裁判が終わるし、すごい雑に思えた。テロの裁判ってもっと慎重かつ大々的に行われるべきじゃないの?それともアレはテロという判断ではなかったのか...?
あらすじ
カティヤ(ダイアン・クルーガー)は夫ヌーリと息子ロッコと幸せに過ごす。そんなある日、カティヤは息子を夫の事務所へ預けて、友人と出かける。しかし、用事を済ませた後、事務所に戻ろうとすると、近辺が警察によって封鎖されていた。事務所は爆発の被害にあっており、夫と息子は帰らぬ人となっていた。
今日は一段とあらすじを書くのが下手ですね。
なんというか小学生並みの文章力しかないのが悲しいです。
物語が進んでいくにつれて、テロによるものなのか、単に夫に敵がいたのか、夫が宗教絡みで何かあったのか、などの色んな憶測が飛び交いますが、最終的にはネオナチによる爆破テロだということが判明。
そのまま裁判まで行き着くのですが、結果から言うと容疑者夫婦は無罪放免となります。
そこでカティヤのとる行動とは...。という内容。
まぁ、タイトルからなんとなく予想はできますよね。法で裁けないのであれば....。ということ。
裁判が杜撰?
作中で爆破テロ犯とされる夫婦が裁判にかけられます。カティヤにとっては実刑を望むものですが、なかなか上手く裁判を進めることができません。あの手この手でテロ犯は逃げていきます。
ただ、観ている側からすると、もっと証拠を集めれるはずだし、そもそもネオナチだと分かった時点でもっと世間的に大きく話題になって、国際問題規模になるんじゃない?という印象。
相手側が提示してきた証拠は、空港での記録やパスポート、出入国証明書などで簡単に切り崩せそうな物も多く
事件現場周辺の監視カメラの映像や、その他目撃証言などを集めれそうだし、警察やもっと大きな政府関係の組織が乗り出してきても良い裁判だと思うんですよね。
なんというか、普通の殺人事件的な感覚で物語が進むのが違和感でした。それとも、これが普通なん?無知だから分かってないだけ?
極め付けは、犯人側の父親が証人として裁判に関わってきて、裁判が終わり外へ出たタイミングでカティヤと父親が対面し、カティヤはタバコを吸うために火を借ります。
危なくない?被害者親族と加害者親族が裁判外で会うってどうなの?復讐されない?
しかも、父親はカティヤに「今度ギリシャに来たときはウチに寄ってください」とか言う。
自分の息子が起こした(かもしれない)爆破テロで家族を失った女性を家に誘うって正気か?
そんなこんなで裁判絡みのシーンは杜撰な感じ。
文句を言った割には★3.0
結構、酷評しているように見えるかもだけど、題材自体はしっかりしているし、まずダイアン・クルーガーの見た目の美しさと演技の美麗さが素晴らしかった。
後半に「この後、どうなるんだ」というヒリヒリ感もしっかり伝わってきて面白かったし、タイトルにもある「二度」の決断はどこでするのかという楽しみもある。
結末に関しては、みんな予想できるものだと思うけど、その中でどのような着地をするかで楽しめる作品です。
世界三大映画祭制覇のファティ・アキン監督最新作『女は二度決断する』予告編
鑑賞:2019.05.26