ウインド・リバー ~シンプルに勉強になりました~
【タイトル】ウインド・リバー
【監督】テイラー・シェリダン
【出演】ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン
【一言あらすじ】アメリカが抱える闇の物語
どうも、ぎぶそんです。
今回は久しぶりに映画館で映画を鑑賞してきました。
しかもミニシアターで、です。
ミニシアターについては知らない方がいらっしゃいましたら、各々調べていただくとして、ミニシアターについての記事を近日中に書こうかなと思っております。
内容は今のところ秘密♥
さて、『ウインド・リバー』です。
主演のジェレミー・レナーは『ハート・ロッカー』『ザ・タウン』などでアカデミー賞にノミネートされていたり、アベンジャーズの一味だったり、『ボーン』シリーズのスピンオフみたいなのに出たり、『ミッション:インポッシブル』シリーズに出ていたり、あと『メッセージ』とかに出てます。
結構な露出のある俳優です。個人的に好きです。とは言え、作品が好きとは言っていません。
というか、書いていて思ったけど、結構出てますね(笑)
でも、あんまり観たことないや。
感想・軽いネタバレ
評価
★★★★☆(★4.0):ギリギリ5.0にならないし、ギリギリ4.0でもある。
出演者のコンパクトさ、尺のコンパクトさ、物語のスケールのコンパクトさ(良い意味で)
色んな要素がちょうど良かった。エンタメ性というと語弊があるかもしれないけど、一つの物語として完成度は高いと思います。
なんというか、もっとグイっとあれば★5.0だったかな。
どこまで、本当かは知りませんが、観ている途中は事件に巻き込まれた少女を可哀想とは思ってたけど、原因を知ったら、「そらそうなるよ」と思えてきたので、その部分でげんなりしてしまった。それと、背景説明が分かりにくかった。というのもアメリカでは常識なのかもしれないけど、日本人の僕的には実感が沸かないバックヤードがそもそも映画内に横たわっていて、それを想像でしか解釈できないから日本向けではないのかもなと思い、★3.0になりそうだった。
とはいえ、僕が無学すぎるのかもしれん。アホでスマン。
んで、★4.0なのは
主演のジェレミー・レナーの演技というか雰囲気のおかげで、映画の中にある先住民族とそれ以外の線引きが上手く引けていたのと、エリザベス・オルセンの新人FBI捜査感(誤字ではない)をしっかり表現できていた面が良かった。
もう少しあらすじ
雪が降り積もる、アメリカ先住民族が追いやられたウインド・リバー地区。雪原のど真ん中で少女の遺体が見つかった。事件の捜査に派遣された新人FBI捜査官のジェーン(エリザベス・オルセン)は慣れない土地での捜査の手伝いを遺体の第一発見者でハンターのコリー(ジェレミー・レナー)に依頼した。2人は事件を捜査していくが....。
これね。どうしてもアメリカの歴史というか、そういうものを把握しておく必要があると思うんだよね。かつ、把握していたとしても観ている人間が映画の解釈に対して少し考慮してあげないといけないと思うんですよ。つまり少しだけ未完成な映画の印象を受けた。ただ、これは映画の背景を知らない僕だから思う感想であって、博学な人ならついていけるのかな?とも思った。
僕自身は、映画を観ていて、自然な流れになるように、背景を少し想像して補っていったつもりだけど、それでも最後まで観た段階で、これは歴史、特にアメリカの闇をこじつけてねーか?というイライラが多少あった。
それでも映画自体は良くできていたので、一応高評価になってはいるけど、監督テイラー・シェリダンが映画に込めたメッセージを受け取れない。というか受け取り拒否しちゃうかもしれない。
ネイティブアメリカン問題
この映画をきっかけに色々調べてみた。こういう風に映画で疑問が生まれて、それを調べて知識にするって素晴らしいよね。
白人と黒人の差別問題があったのは、さすがの僕でも知ってます。でも、先住民族と欧州人(白人?)の間にも問題があったのは知りませんでした。
なんというか、ネイティブアメリカンやインディアン(両者は違うらしいけど、今は2つ並んで書かせて)はアメリカを闊歩していて、ブイブイ言わせてたと勘違いしたんだけど、ネイティブアメリカンと欧州人(白人)は戦争に発展するぐらいの溝があったのね。知らなかった。高校では社会科科目は地理選択だったので許してください。というかその派生が黒人白人問題なの?後で勉強します。
ざっくり言うと、欧州人がアメリカ大陸を見つけてからは先住民族を追いやって追いやって追いやった、という歴史があって、追いやった先では州警察とかの介入が困難(映画内でも描写有り)で、他にも色んな部分でネイティブアメリカンな家系は肩身の狭い生活をしていた。
という背景を知った。
ちょっとネタバレを多くするから注意
監督のメッセージと事件の真相
この映画はネイティブアメリカン問題を切り口にしています。エンドロールに入る前にその件に関して言及する字幕も流れます。
簡単に内容を言うと、「ネイティブアメリカンの失踪者がいるが、具体的な人数は把握できていない」みたいなことで、「ネイティブアメリカンは差別されていて、そういう問題を抱えている」というところに映画の焦点を当てているとは分かるんだけど
少女が事件に巻き込まれたのは「ネイティブアメリカンだから」ではないんだよね。
「そういう、職場の仲間内がいる男と付き合ってた女が悪い」という事件で同情の余地が個人的にはなくて。
もっと言うなら3年前に起こった事件だって、そのような原因がネイティブアメリカンだからだとは言及されていないし、この作品を通して、そういう歴史問題を伝えていこう、というのは無理がある気がするんですよ。
まとめ
とはいえ、アメリカの歴史を知らない馬鹿な僕でも、単純に物語をたのしむことができたし、最初に言ったように、映画のまとまりとしては素晴らしいと思う。
メッセージ性も説教臭さはないので、普通に社会問題と切り離して、フィクションとして観る分にはオススメです。
普段より長くなった(記事を書くのに飽きたとも言う)のでこのへんで。
鑑賞:2018.09.22