セッション ~圧巻のラストシーンは観る価値あり!音楽ファンならずとも楽しめる映画!~
【タイトル】セッション 米2014/日2015
【監督・脚本】デミアン・チャゼル
【出演】マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー
【一言あらすじ】ドラムを叩く青年と鬼指導者との話。
最高でした。観始めて数分で惹き込まれた。そして、惹き込まれっぱなしの106分。映画を観ている最中は興奮しっぱなしです。
なにより、ラストシーンがすごいんです。素晴らしいんです。
おそらく、このラストシーンに向かうための映画だと思います。「クライマックス」です。この言葉が似合うラストシーンは中々ないんじゃないでしょうか。
ざっくりと映画の情報を。
この映画は第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、うち助演男優賞、編集賞、録音賞を受賞しております。去年、この映画の話題ばっかりだったのを覚えています。観たいとは思いつつwowowで放送されたのがここ最近だったので、このタイミングでの鑑賞となりました。
感想・軽いネタバレ
評価
100点満点中85点
文句なしで面白かったです。
必要最低限の登場人物、セリフ、上映時間、カット。そしてこれでもかと映し出されるドラムを叩く姿。でも、多すぎない。ちょうどいいバランスで完成されているんです。
マイルズ・テラーの風貌はキャラ設定に合っていますし、観客にもすぐに馴染む気がします。イケメンではなく、少し冴えない、オタク気質な雰囲気が「音楽」「ドラム」にのめり込む、もしくは狂気的なものを表していて、主人公の役柄にナチュラルに馴染む。
J・K・シモンズの強面も鬼教官にぴったりで、顔に入る皺が、目つきが、全てで演技をしています。ときには罵り、ときには殴り、教育者としてあるまじき行為ではあるが、そのおかげで「音楽」というものの異質さが際立っています。
もう少しあらすじ
本作の主人公はジャズドラマーを目指す青年のアンドリュー。彼はアメリカの一流音楽学校に通っています。フレッチャーはその学校で最高の指揮者と言われている先生です。
フレッチャーは演奏に関して完璧主義者で、自分の理想の演奏の邪魔になる奏者は要らないと考えています。そのせいか、指導が暴力的です。
アンドリューはフレッチャーに誘われて彼のスタジオバンドに加入するのですが、最初は罵られ、殴られます。見返そうとするアンドリューは文字通り血が滲むような努力をして、主奏者の枠を獲得します。
しかし、このあたりからアンドリューは音楽に、もしくはフレッチャーに憑りつかれたように、狂気に満ちていきます.....
音楽って上限がない分野だと思うんですよね。
それを追及していくとキリがなくて、そのキリがないことをフレッチャーの行動で示しています。そして、そのような指導をする理由も作中で明かされます。納得いく部分もあるし、納得できない部分もあり。
圧巻のラストシーン
なんやかんやあって、アンドリューはドラムを叩くことを辞めます。数か月後、物足りなさを感じながら過ごす彼はバンドに誘われるのですが、そこで屈辱的な仕打ちを受けます。このままエンディングなのかなって思っていたのですが、ここからがこの映画の見せ場でした。
アンドリューの演奏が素晴らしいのなんのって。映画の中の登場人物も、映画を観ている観客も魅せられます。他のことを考えることを許しません。それほど鬼気迫った演奏をします。
ドラムソロ。圧巻。これを観るだけでも、この映画を観賞する価値はあるかと思います。カッコいい。
んで、アンドリューの笑顔。すべてはこの笑顔のためにあったのです。
そして、演奏の終わりと同時に暗転、エンドロール。潔い。
よかったところ
たくさんありすぎて、何を書けばいいのか分かんないっす。笑
演出面的なことで言うと、コンパクトさが良いですね。上映時間が106分と長すぎず、短すぎず。また、登場人物や舞台変更の少なさ、そういうところが良い。
また、製作費もコンパクト。なんと3億円。この製作費でアカデミー賞にノミネート、受賞したということでも話題になりました。
わるかったところ
うーん。あったかなぁ。
全体的に洗練されてたし、文句を付け難い。
フレッチャーのブラック企業ならぬ、ブラックバンドがやりすぎ感はありますが、映画のシナリオ上しょうがないのかな。
Whiplash TRAILER 1 (2014) - J.K. Simmons, Miles Teller Movie HD
マイルズ・テラーは恋人まで1%に出演しています。気になっていた映画なので機会があれば観たいですね。
J・K・シモンズは旧シリーズのスパイダーマンの新聞会社の編集長役だったりします。
鑑賞:2016.04.28