君の名前で僕を呼んで ~第90回アカデミー賞にて4部門ノミネートした作品であります!~
【タイトル】君の名前で僕を呼んで (2017)
【監督】ルカ・グァダニーノ
【出演】ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー
【一言あらすじ】知的な2人の男の物語
ここ最近はアカデミー賞関連作品ばかりを観ている、ぎぶそんです。
やっぱり、「アカデミー賞受賞/ノミネート作品」って手を伸ばしやすいんですよね。なんとなく。でも賞レースに絡んだからって好みの映画になるかどうかは分かりませんね。
おそらく僕はアカデミー賞との相性はまぁまぁです。良くはないです。断言していいと思う。かと言って、全く合わないかと言うとそうでもないよ。近い年から作品賞を受賞したタイトルで述べていくなら「スポットライト 世紀のスクープ」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」「ビューティフル・マインド」「タイタニック」「フォレスト・ガンプ/一期一会」「シンドラーのリスト」とか好きですよ。
受賞してなくてもノミネート作品で心に響いた作品もたくさんあります。
んで、今回観たのは「君の名前で僕を呼んで」...なんか日本のアニメやラノベのようなタイトルですね。何もディスってないよ。ただの感想。
作品のちょっとした紹介をしますと、第90回アカデミー賞に4部門ノミネートされて、その中で脚色賞を受賞しました。ちなみに作品賞、主演男優賞、脚色賞、歌曲賞でノミネートされておりました。
評価
★★☆☆☆(★2.0):知的過ぎて付いていけなかった。
本作の主人公エリオは知的なお父様をお持ちなようで、17歳にして3か国語を話せて、ピアノが弾けて、古典文学を読んだりする、なんとも卓越した能力を持っています。
ね?ラノベの主人公っぽいでしょ?
そんな彼はひと夏を北イタリアの別荘で家族と過ごすことになります。
17歳の夏に別荘に行って過ごす、って設定が完璧すぎますよね。
そんな知的な主人公の相方(ヒロイン)も知的です。お父様の研究の手伝いのような形で24歳(向こうの24歳...すごい...)の学生が別荘にやってきます。そんな2人の6週間を映しとっていく映画になっております。
まぁ、あれだ。
時代設定が1983年で、知的な人間を主人公に据えて、舞台がイタリアの別荘となれば、文学的な映画になるでしょう。
....ずばり苦手です。
フランス映画ほどではないですけど、すごく意味深というか
台詞外での雰囲気を大事にするような雰囲気がある映画でして、悪い言い方をすれば地味で、良い言い方をすると、落ち着いた展開で映画が進んでいきます。
もう少しあらすじ
1983年の北イタリアの別荘、そこにはエリオたち家族がひと夏を過ごすために訪れていた。同年代の子供たちに比べて、落ち着きがあり、卓越した教養をもつエリオ(ティモシー・シャラメ)は、父親が招待したオリヴァー(アーミー・ハマー)を最初は良く思っていなかったが、徐々にオリヴァーに対して抑えきれない感情を抱くようになる。
まぁ、ぶっちゃけると男性と男性の恋物語です。
別にその部分に嫌悪感を抱く人間ではないし、その手の問題に口出しできるほどの人間ではないですけど、設定的には普通の男女の恋模様の方が好きですね。
17歳の男の子だし、80年代前半だし、どのくらいのタブー具合か分からなかったし、主人公自身がどういう気持ちだったのかを上手く掴むことができなかった。いや、葛藤は描かれているんだけど、エリオの中で整理できているのかどうか、周りと比較したときの心理描写、その他、鑑賞している者への情報量の少なさが、イマイチ乗れませんでした。
でも、しっかり恋愛映画に仕上がっているし、年齢のおかげで青春映画としても成立しているし、芸術面でのレベルは高いんじゃない?と言える。あくまで僕の芸術察知能力では、ってところだけど(笑)
気になるところ
結局のところ、エリオの恋愛対象はどうなのか?という疑問があるんだよね。いや、男性を好きになっていくんだろうし、なんとなく両親もその部分に関しては寛容な雰囲気だった。というか、しっかり観たハズなのに、細かいディテールを思い出せないのは、映画のせいなのか、自分のせいなのか...?
作中では、女の子とも致してしまうし、オリヴァーとも致していると思う。
果物をオナホにして、オナニーもするし、男子高校生特有の好きな人の洋服をクンカクンカする描写もある。
でも、どれもこれもが、攻めきれずに、描写としての力が弱くて、事実として存在はするけども、そういう場面を切り取ることをせずにR指定を避けたのがイマイチな気もする。
良い意味で気になったのは、エリオがピアノを弾くシーン。
夏だし、別荘地だし、プールみたいなのもあるし、泳ぐシーンが多くて
上半身裸のシーンも多いんだけど、その中でピアノを弾くシーンは素晴らしく綺麗だった。
他にも、雰囲気のある自転車でイタリアの町並みを漕ぐシーンや田舎道みたいなところを進むシーンはさすがだな。という感情を持てた。
鑑賞:2019.03.21